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小説 神秘アンチエイジング&エロス 213 想念 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

(だいたいお前が引き留めるから悪いんじゃないか。お前が引き留めなければ、俺はもう家に着いてリラックスしてるはずなんだ。そもそもレジでどうしてあれだけ粘られなきゃならないんだ。ラーメンを残そうが全部食べようが客の勝手じゃないか。なんであんなに問い詰めるんだ。おれは犯罪者じゃないぞ。もうここへ来るの止めてやろうか。お前があんなにひきとめたから、お前が「瑛次さん」なんて呼ぶから、あいつらがおれの名を知ってしまったじゃないか。そりゃあもうあいつらに会うことはないだろうけど、あいつらに一度名を呼ばれただけでも、どれだけおぞましい気分かお前に分かるのか?分からないだろう。おれの生活に、おれの心の中に、あんな奴らが入ってくることなんてありえないし、あっちゃいけないんだ。こいつ、今すぐにでも殴ってやりたい)
自分がどれだけ理不尽な想念に満たされているか、今の瑛次には気づきようもなかった。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。


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「ファン」とは何か? [末尾ルコ(アルベール) 美学 生と死のあいだ]

「誰か」の、あるいは「何か」のファンまたは支持者になるというのはどういうことだろうか。
人間は人生の中で何のファンになる必要はないし、実際に何のファンでもない人もいるかもしれない。
しかし「何のファンでもない」などと言われると、いささか薄ら寒い気分になることも事実。
また逆に、「対象」とのバランスを欠いたファンというのも多く見かけるが、こちらもかなりいただけないものがある。
その最たるものの一つが、「有名人」と「自分の私生活」の境目がないという幻想を持ってしまった人たちだ。

それはともかく、「誰か(何か)」のファンになるというのは人生を大いに豊かにしてくれることでもある。
「ファン」とはどうあるべきかというテーマについてもじっくり考えていきたい。

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ダ・ヴィンチの絵画に隠された「秘密」?  「ラロックの聖母」ザ・ベストハウス123 『ラロックの聖母』研究会 幻冬舎 [ルコ的読書]

レオナルド・ダ・ヴィンチと言えば、近年「ダ・ヴィンチ・コード」が小説、映画とも大きな話題となった。
もっともあの小説中に書かれている内容は、いわゆる「ヨーロッパ史の裏側」を多少知っている者にはさほど珍しいものでもなかった。
ところが映画の影響はなかなかのもので、「フランスでもあの内容を本気にしている人が少なくない」と友人のフランス人が言っていた。
もちろんあのストーリーはフィクションなのであるが、いわゆる「表面的な歴史」しか知らなかった人にとって「目を開かされた」ような錯覚を起こさせられるというのはあり得ることだ。
そのような「錯覚」が悪用されれば、怪しげな「陰謀史観」や「カルト宗教」にはまるなどという可能性もあるので警戒せねばならない。
「歴史の裏面」を楽しむには、最低限の知識、バランスのとれた見識などが必要とされるだろう。
茂木健一郎の寄稿の中に次のような部分がある。


宗教学者の中沢新一さんがおっしゃっていた言葉を拝借すると「人類の歴史の最初から隠されている秘密」がダ・ヴィンチの絵にはあるのです。理性と感性を全部総動員しないとわからない、知ってしまうと我々は人間でいられなくなるような怖い秘密のようなものです。

    「ラロックの聖母」ザ・ベストハウス123 『ラロックの聖母』研究会 幻冬舎

「いかにも中沢新一」という大仰な表現だが、偉大な芸術にはそれほど汲めども尽きぬ魅力があることは確かだ。

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「わが家の歴史」の堀北真希。吉高由里子を「アネゴ」と(笑)親う仲里依紗のグラビア。 [吉高由里子]

今夜から3夜連続で三谷幸喜脚本「わが家の歴史」(フジテレビ)が放送されるので、とりあえず初回はチェックしてみようと思っている。
出演は柴咲コウ、佐藤浩市、松本潤、佐藤隆太、堀北真希、榮倉奈々、長澤まさみ、大泉洋、玉山鉄二、西田敏行など。
中には加藤清四史郎などという名前もある。
どうせならポニョも出してイロモノ路線を突っ走るという手もあったが。
さらに安達祐美をからませて、超イロモノ路線という手もある。
さらに・・・と、あまりダークになってもいけないから、このへんにしておき。
「わが家の歴史」に登場する堀北真希、榮倉奈々、長澤まさみというのは本来なら豪華三大若手女優ということになるが、長澤まさみが崖っぷちなので「豪華」な雰囲気がかなり減殺している。
堀北真希も最近の作品では不調だ。
久々の主演映画「誰かが私にキスをした」もいい批評をあまり観ない。
堀北真希は「質」を重んじた作品選択に転換すべきだというのが以前からのわたしの考えだが・・。

吉高由里子を「アネゴ」と(笑)親う仲里依紗がおもしろいグラビアに出ていた。
「週刊ビックコミック スピリッツ」(4.10号)だが、この話は後日。(笑)
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「ホノカアボーイ」真田敦監督 [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「ホノカアボーイ」真田敦監督

料理が映画の中で印象的に使われている例はいくらでもあるが、女性雑誌のグラビアの写真のように並べても「いいシーン」にはならない。きれいな景色、止まったような時間・・この作品はほぼ万事がグラビア的に展開する。

3点
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モーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」、「みじかくも美しく燃え」、ピア・デゲルマルク、「小さな死」 [音楽]

「みじかくも美しく燃え」。
陰鬱なスウェーデンと美しい自然に満ちたスウェーデン。
事実に基づいた話。
悲恋というにはあまりにリアリスティックな描写がある。
その生々しさが醜く美しい。
スウェーデンの景色を背景に映しだされるピア・デゲルマルクの顔。
その顔も美しく、リアリスティックだ。
そして常に流れているのがモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」。
まるでハッピーではない愛の物語。

そして音楽はイリ・キリアン振付の「小さな死」へとつながる。
暗闇から出てくる男女。
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