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小説 神秘アンチエイジング&エロス 232 弟 [小説 神秘アンチエイジング&エロス]

「エッジい~~?」
「そうですよ、エッジ」
「じゃ、〈エイピー〉はエッジなの?」
「もちろんですよ、ヒサさん!」
店主は瑛次の方へ向き直った。
「そうかあ~。よっしゃ・・。じゃ、瑛次さん。今この瞬間から、わたしは〈ヒササン〉、あなたは〈エイピー〉、いいですか?」
「あ・・、はあ」
「呼んでくださいよ」
「え」
「ひ・さ・さ・ん」
「あ・・、ヒサさん」
「どうした、エイピー?ああ、こりゃいい感じだ。うん、いい。なんか弟ができたような気分ですよ」
「よかったねえ、ヒサさん!」
「あ、あの・・、もうそろそろ帰らしてもらえますかね」
「え?」

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。



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壮大な「しいたけ」叙事詩、ここに終わる! バトンやってます♡ [末尾ルコ(アルベール)より]

しかし現実にはしいたけの匂いがしたからと言って、踵を返してエスケープすることなどそうそうできるものではありません。
玄関まで漂うしいたけの匂いに「う」となりながらも、彼あるいは彼女は食卓につくことになるでしょう。
ちゃぶ台(笑)を見るとしいたけの入ったお吸い物が入っています。
温かな透明な液体の中にあるスライスされたしいたけは、小さいながらもお吸い物の中から大気の中にまで「しいたけの匂い」という違和感を思う存分発揮しています。
では鼻をつまめば彼あるいは彼女は助かるのでしょうか?
決してそうではありません。
彼あるいは彼女はお吸い物から目を離せなくなるのです。
それは見たいからではありません。
見たくないのに見てしまうあのつらさ。
せめてお吸い物の中にあるしいたけが傘の外側だけ見せていればまだしも、どうしてもあの内側が見えてしまうつらさ。
彼または彼女は、あの細かな襞が汁の中で揺らめいている姿に軽い頭痛を感じている自分を発見するのです。

名残惜しいですが(笑)、これにて「しいたけ」に関する考察はひとまず(?)終了いたします。
掲載中は数々の励まし、叱咤激励などのコメント、ありがとうございました。(爆笑)
それにもかかわらず、いまだしいたけを好きになれそうにないわたくしの未熟さをお許しあれ(^_-)-☆

それでは次回から残りのバトン、頑張るぞお!(そうです、まだバトンやってるんです)

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西原理恵子のソウルは生きているのか?   「勝間和代の日本を変えよう」勝間和代(毎日新聞社) [ルコ的読書]

西原理恵子に関して言えば、わたしは特に好きでも嫌いでもない。
実は以前は「好き」の部類だったが、最近はどうも彼女の「泣かせもの」(←西原理恵子に関して、本当はこの表現は当てはまらないと思うけれど、メディアではこんな感じで扱われている)が表面に出ることが多く、その「メディアのり」に同調できないのだ。
「泣ける」と宣伝文句に書かれているのを読んだり観たりして、本当に「泣ける」といのうがよく分からないのだけれど。
とまあいろいろ言いながら、どこか西原理恵子の持っている「本物」の部分は変わりないのだろうなという気はしている。

そんな西原理恵子のいい部分が出ているのが勝間和代との対談の次の部分。
内容に賛否はあるだろうが、とりあえず笑える。


西原 結婚という人の感情に一生を任せたら、それは危険でしょう。
勝間 まさにその通りです。
西原 そんな恐ろしいことはないです。好きは簡単に嫌いになりますから。
勝間 しつこく言ってるんです。会社に依存するな、夫に依存するなって。
西原 男の人に依存して、あとの40年、50年、60年どうするつもりなの、と。
勝間 嫌われるかもしれないし、嫌いになるかもしれないし。
西原 両方が大嫌いになっている家がありますからね、たくさん。
勝間 離婚する負担が重くてできないんですよね。お互いに。
西原 たがいに体力温存してるしかないみたいな。

        「勝間和代の日本を変えよう」勝間和代(毎日新聞社)
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チェーホフが似合いそうな壇れい「八日目の蝉」感想。チェーホフか~、文学性において、吉高由里子も合いそうだ。 [吉高由里子]

「八日目の蝉」第4話を観ながら、「ああ、壇れいはきれいだなあ~」とつくづく感心した。
ピュアーな美しさというか、クセのないのが小さな弱点ではあるのだけれど、それにしても他に似た美しさの女優が現在いないから、それが十分な個性となっているということも言える。
「八日目の蝉」の方は「いかにもテレビドラマ」な作り。
壇れいの美しさを生かしているとはとても言えない。
そもそも壇れいの美しさを十全に生かした作品というのは、今までに映画「武士の一分」しかない。
これはいかにももったいない話である。
「八日目の蝉」第4話で壇れいは逮捕されることになるわけだが、さらった子ども連れで普通に働きながらよくそれまで見つからなかったものだ、などということはまあいい。
ただ小豆島を歩く壇れいを観ながら、(チェーホフ作品の映画化などという企画はとても合いそうだ)などと想像した。
おそらく「犬を連れた奥さん」を連想したのだろう。
「セリフまわしの文学性」という点では、吉高由里子もチェーホフが合いそうだ。
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「懺悔」テンギス・アブラゼ監督 [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「懺悔」テンギス・アブラゼ監督

グルジア人監督の映画。ソ連崩壊前に公開された作品だというが、「映画の原点」を観ているような驚くべき充実した内容。ソビエト連邦の独裁体制を批判する内容ながら、堅苦しくも小難しくもならず、随所で息をのむようなショットが挿入される。横暴な市長の墓が何度も暴かれる冒頭のインパクトも圧倒的。

8点
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木村太郎の悲劇  ローマ帝国編 その弐 [生と死のためのアート]

以下はあくまで想像である。

安藤優子は木村太郎に話をふるときこう思った。
(ああ~、窓際族の太郎さんだけど、座らせてだけいるわけいはいかないわね。別にここで太郎さんにふらなくてもいいけど、番組構成上仕方ないわね)
「太郎さん」
木村太郎はいつも通り「いいカッコ」をしようとした。
(オレの解説はちょっとその辺の「解説委員」なんかとは違うぜ。「仕分けの」ニュースに関しても、世界史すべてを概観した解説をしてやるのさ。優子のやつ、おれに惚れちゃうかもねえ)
そして出た言葉が
「ローマ帝国では」
もちろん木村太郎はその次の瞬間に起こる悲劇をまだ知らなかった。

              つづく
   




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